
京都は御所の西側の室町通りに面した“SALA”で開催された“染織のための自然素材展Ⅲ”が昨日無事終了しました。

私のブースはご覧のようにこの一年間織り続けてきた紬の反物と帯のみの展示にしました。

京都の日本間の展示場に着尺を展示するのに“呉服屋の展示会場”のようには絶対したくなかったのでアクセントとなる什器が是非とも欲しいと思い、山梨県在住の金属工芸家:川合光さんに撞木(しゅもく)の制作を依頼しました。
展示中は決して目立つ物ではないのですが、お客様に見せるために反物をはずした時の存在感は抜群でした。

こちらはお隣の中島洋一氏のブースと、その向こうは大井川葛布の村井さんのブース。

最終日には上記の二つのブースを移動していただき、新道弘之氏とひろいのぶこ氏の“布について語る”という対談が行われました。
新道氏が持参した世界各国の布が開場を巡り、70人はいたかと思われる聴講者の熱気の中、素材展の最後を飾るに相応しい企画となりました。
ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。
紬糸や座繰り玉糸のような節の多い経糸を使う場合は、布の中に極端な節の固まりが織り込まれないように大きな節は取り除きながら織っていきます。特に濃い色の経糸の場合は糸の状態が見にくいために、私は筬柄(おさづか)の下と綜絖の向こう側の下部に発泡スチロールの板を置くことにしています。
2~3センチの厚さの発泡スチロールの板を買ってきて、足に触らない大きさにカットして、機のフレームの上に乗せるだけです。軽い物でもあり特に固定する訳ではないので邪魔な時や不要な時には簡単に取り外すことが出来ます。
織り際の上から覗くとご覧のように、白い発泡スチロールをバックに糸の状態がくっきり浮かび上がって節を見つけるのがとても楽になります。
織り終った後の綜絖の向こうのスチロールの上には、経糸が擦れて落ちた綿ぼこりがこんなに積もっていました。ふんわりですが厚さは3センチほどはあったでしょうか。途中で一回掃除をしたので、一反の半分くらいを織って出た量です。
まとめて手に取るとこんな量です。織っている最中に経糸に絡みつかなかったのが不思議なくらいです。
「急がず焦らずマイペース」を心掛けて織っていたはずなのですが、やはり心のどこかに日にちが限られているという思いがあったのでしょう。今日は大失敗をしてしまいました。
それは今朝の話です。機に座って30分も経たない頃、ふと「柄の入れ間違いなんか無いだろうな?」という思いが頭をよぎりました。そして何気なく視線を移した織り手前の布の柄が不自然なことに気付いたのです。
今織っている反物の柄はベージュとサーモンピンクが交互に入った格子柄なのですが、写真の通り一番上の段にサーモンピンクの柄が二つ続いているのがお分かりでしょう。これは明らかに柄の入れ間違いです。
写真では今間違えたばかりのように見えますがこれはかなり解いてから撮影したもので、実際にはここから13センチほども織ってしまったのです。
経糸に生糸や玉糸を使った場合には13センチほどを解くのはそれほど大変なことではないのですが、今回は何と言っても毛羽立ちやすい紬糸を使っています。「ここから解いたとしても13センチを解くうちには絶対に糸が毛羽立ってどうにもならなくなるだろうな…」という思いと「このまま織り続ければ、たとえ織り上がったとしても“柄まちがいのB反(キズ物、訳あり品)”にしかならないな…」という思いが心の中で入り乱れました。
続きはここから…

それでも気難しい紬糸、いつ駄々をこね始めるか分からないので気は抜けません。焦らず淡々とマイペースで織ることを心掛けています。

“日本の伝統色”の中から色の名前を調べると『苔色・英名:Moss Green』とありました。この色を地色にして、濃いめのベージュとくすんだサーモンピンクで細かな格子柄にします。大好きな色です。
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