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機織り職人の仕事場から…

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帯の緯糸の引き揃え(木枠の巻き方)

帯の緯糸の引き揃え(木枠の巻き方)_f0175143_22183912.jpg
今回使用する帯の緯糸は紬糸を10本引き揃えて作ります。そのため、まず糸を木枠に10本巻かなくてはなりません。
そしてこの糸を木枠に巻くのにはセオリーがあります。

大切なことは、まず糸の撚りの方向を知ることです。そして木枠に巻いた糸が解けるとき、
この糸の撚りがさらにかかるように糸を巻かなくてはなりません。

今回使う紬糸は“Z撚り(左方向の撚り)”です。それで糸を巻く方向は写真のように木枠の右側から始めて、
少しづつ左側に移動しながら巻いていきます。

糸を巻き終わったら写真で見る木枠の右側を下にして床に置き、左側を上にしてこちらから糸を引き上げます。(次の写真)

帯の緯糸の引き揃え(木枠の巻き方)_f0175143_22185519.jpg
このように糸を上に引き上げると、糸が一周解けるごとに“左方向の撚り”つまり“Z撚り”が一回かかることになります。

帯の緯糸の引き揃え(木枠の巻き方)_f0175143_22191226.jpg
糸を10本の木枠に巻き終わったらそれぞれの枠からまっすぐ上に糸が解けるように仕掛けをし、
その糸を一本にまとめて木枠に巻き取ります。

10本の糸をまとめて引き揃えたら、今度は先程とは逆の方向に巻いていきます。つまり写真のように木枠の左側から
巻き始め右側に向かって巻き重ねていきます。(ハンドルを回す方向は変わりません)

今度は木枠の左側を下にして床に置き、右側を上にしてこちらから糸を引き上げます。

帯の緯糸の引き揃え(木枠の巻き方)_f0175143_2219329.jpg
この糸が解けるとき“右方向の撚り”つまり“S撚り”がかかる事になります。

実際に緯糸として使用するのには、引き揃えた糸をさらに2~3回木枠の巻き変えを繰り返して糸の束にゆるい“S撚り”をかけます。
こうすることで糸の束がばらばらにならず扱いやすくなるのです。

・・・続く。

by kageyama_kobo | 2009-03-05 23:21 | 仕事のコツ