2009年 04月 17日
双紬(もろつむぎ)再び
昨年夏に織った双紬(経糸・緯糸の双方に紬糸を用いた反物)。経糸の扱いに苦労させられたのですが、
織り上がり仕上げを終えた布の感触がとても良かったので、次回の作品展に出品するために再び挑戦しようと今日糸染めを始めました。
今回は染料に渋木(左・ヤマモモの樹皮のエキス)とカテキュー(右・漢方では阿仙薬、仁丹の中身として有名)を用い、
白茶の無地の反物を織ります。
渋木とカテキューの塊りを細かく砕いてお湯に溶かしたものを染液として経糸用の紬糸を染めます。
濡れた糸の色は赤茶に見えますが、目的の色は白茶なので染料自体はそれほど濃くありません。
淡い赤茶色に染まった糸を、次に酢酸(お酢)を溶いたお湯の中で煮ます。
植物染料が酸に溶けやすい性質を利用して、一度染めた糸から染料を抜き取ります。
この後もう一度新たにお湯を沸かして薄く石鹸を溶かし、この中で糸を煮て染料を落ちるだけ落とし、
もうこれ以上色が落ちないという色を仕上げの色とします。
最後の水洗をして糸を絞るところです。白い糸は経糸の両耳に使う玉糸です。この後糊付けをして糸を干すと染色が終了します。
こちらは緯糸で、経糸の節(糸の太い細い)を際立たせるために黒に染めます。
by kageyama_kobo
| 2009-04-17 22:55
| 色があり柄があり…