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機織り職人の仕事場から…

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ちょっとインドまで…13(最終回) 装うサリー

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インドで見たサリーの色が印象深かった事は前回書きましたが、今回はその中でも最も心に残った場所と場面をご紹介します。

インド東部オリッサ州にあるコナーラク。ここにはヒンドゥー教の寺院としてはこの地方で最大規模を誇るスーリア(太陽)寺院があります。世界遺産にも登録され休日には多くの参拝者が訪れるこの寺院は「舞堂の柱のレリーフや本堂を支える車輪など、その彫刻の見事さは風化を感じさせないほどに精巧…」などとガイドブックに書かれるほどに素晴らしい遺跡なのですが、私はそのような彫刻など記憶に残らないほど、ここに参詣する女性たちのサリーに見とれていました。



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なんと重厚な色柄のサリー。履いているサンダルや立ち姿から、なかなかのお金持ちの奥様とお見受けしました。インドの中年以上の女性ではお約束のわき腹のふくらみがチャーミングです。
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この女性が着るサリーの頭の部分にある丸い模様は写真右上のこの寺院の彫刻がモチーフです。裾の緑の部分にある絣模様はオリッサ独特の柄で「これぞオリッサのサリー!」と言えるものです。
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目の覚めるような色のサリーも彫りの深い顔と黒い肌のインドの女性が身にまとうとぴたりと決まってしまいます。平らな顔立ちと黄色い肌の日本人ではこうはいかないでしょう。
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一目見て「只者ではない人達」と思われる集団がいました。サリーの光り方が他の人達とはちがいます。きっと“なかなか”の一族がめいっぱいのお洒落をしてきているのでしょう。ただただ(サリーに)見とれるばかりでした。
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今回の旅で最も印象に残ったサリーがこの真ん中の女性が着ているものです。これを見た瞬間、思わず「アゲハチョウだ!」と叫んでしまいました。

このように沢山の素晴らしいサリーを見てきた旅でしたが、顧みて日本の着物を考えた時にその色柄の多様性と同時に布の質感の豊富さでは決して負けていないと確信しました。

いろいろな意味で自分の未知な感性を刺激してくれたインド。機会があれば再び…と言わず何回でも訪れてみたいと思っています。
by kageyama_kobo | 2010-04-06 21:26 | 色があり柄があり…