機織り職人の仕事場から…

今日は絹糸の精錬

今日は博多帯を織るための絹糸の精錬を行いました。我が家の精錬は“石鹸練り”です。“へっつい”の釜の容量は約15リットルあり、これで1.5キロの糸の精練ができます。糸の重さの15パーセントの“マルセル石鹸”を包丁で細かくきざみ、これを熱湯に溶かして精錬液とします。
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釜に糸を漬けると間もなく、糸の中のセリシンが解け始めて膨張し糸はヌルヌルの状態になります。滑りやすくなっているので糸を繰るのには少々技術が必要です。




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この時にコンロの火力を強くしすぎると精錬液が泡となって吹きこぼれてしまいます。こうなるとどうにも手に負えなくなるので、糸を漬けてからの最初の15分ほどは弱火で沸騰状態を維持するように調整します。

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20分も経つと糸に含まれていたセリシンはほとんどが精錬液の中に溶け出してしまうので、糸の膨張は治まり吹きこぼれの心配もなくなります。ここからは少々火力を強くして、糸が釜の底に焦げ付かないようにこまめに糸を繰ります。

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精錬の度合いを知る目安として親指の爪で糸を擦ってみるという方法があります。「キュッ」という音がするようになったら精錬が出来た合図です。

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更には糸の一部を摘み上げて少量の水で洗ってみます。“ヌルヌル”が無くなっていれば精錬が出来たと判断していいでしょう。我が家ではセリシンは残さないように精錬するので、約1時間ほど煮込んで精錬を終了します。
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by kageyama_kobo | 2010-08-24 01:05 | 仕事のコツ