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機織り職人の仕事場から…

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太さの分からない糸を使う

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木綿の手紡ぎが大好きなTさんから預かっている糸があります。「この糸を使いきるつもりで布に織ってちょうだい。柄はお任せします」との注文を受けていました。手作りの糸なので規格品の糸とちがい太さの表示がありません。それで、最適な経糸の密度(筬)を決めるために糸の長さと重さから太さ(番手)を計算しなくてはなりません。



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届けられた糸は一応カセになっているのですが、長さがまちまちなのですべての糸を改めてカセに揚げ返します。
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糸の太さにもよりますが、この糸の場合は1カセを650mに揚げます。このくらいが染色や糊付けをした後の糸の扱いがやりやすいからです。
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揚げ返したカセを一つづつキッチンばかりにかけて重さを計り、長さと重さの関係から太さ(番手)を計算します。計算式を簡略化すると、長さ650mのカセは383.8÷1カセの重さ(g)で簡単に綿番手が算出できます。

共糸(経糸・緯糸とも同じ糸)で織る場合、経糸と緯糸の比率は約10:6です。この割合に糸を分けて明日から藍で糸を染めます。
by kageyama_kobo | 2011-08-01 21:47 | 仕事のコツ