機織り職人の仕事場から…

男の黒紬を湯通し…音で分かる布の良しあし

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天気予報をにらみながら昨夜遅く“男の黒紬”の糊落としを行いました。そして今朝、長い雨が続いた後の久しぶりの朝日。湯通しには絶好の薄曇りの空のもと、糊落としを終えた反物を丁寧に水洗し庭に引っ張って伸子を掛けます。

通常は水洗の終わった反物は軽く脱水機にかけてから庭に引っ張ります。しかし黒など濃色の反物は水が滴るくらいの状態で引っ張ります。太陽の熱を吸収しやすい濃色の布は乾燥が早く、水をたっぷり含ませておかないと伸子を掛け終わる前に乾いてしまうからです。

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反物が庭に張れたら伸子掛けです。布が乾く前に終われるよう大急ぎです。竹ひごの両端に短い針のついたものが伸子で、この針を反物の両耳の約1ミリ辺りに刺します。

生地に針を刺す時に“プツッ”と音がします。紺屋に生まれて若い頃から数えきれないほど湯通しをしてきた母が「この“プツッ”て音がしなかったら上等な生地じゃないよ!」とよく話していました。筬の打ち込みの甘い生地はこの音がしないのです。

今回もこの“プツッ”が聞こえて一安心でした。




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by kageyama_kobo | 2016-10-04 13:23 | 仕事場の風景