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機織り職人の仕事場から…

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私の仕事の必需品 “吊りろくろ”

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20代の頃、紬を織っている時はほとんど平織りだったので綜絖は2枚。従って“ろくろ”は1本。
しかし最近では4枚綜絖を使う機会が多いため、私の機には“吊りろくろ”が付けっぱなしです。

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平織りの時はこんな風に吊ります。

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綾織りや摸紗織など綜絖を4枚使うときはこのように吊ります。

言葉と写真ではこれで解説は済んでしまうのですが、
それでは綜絖2枚の状態から4枚に変える時、また逆に4枚を2枚に変える時、
みなさんならどのように変えますか?

もとより、4枚の綜絖がそれぞれ自由に上下できる仕掛けが“吊りろくろ”です。
新たに綜絖を吊り直そうと思っても吊りヒモはそれぞれ勝手に動くので安定しません。
そこで“ろくろ”をがっちり固定しなくてはならないのですが、これがなかなか安定しない。

あれこれ考えた末に、決定版の解決策を思いつきました。

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中央に吊り下げているのは重さ1.2キロの分銅です。
そしてこの分銅を吊っているヒモは、二本の“子ろくろ”に巻き付けています。

肝心なのはヒモを“子ろくろ”に二周巻き付ける事。
このヒモの摩擦のお陰で、綜絖を吊り下げるヒモはどこを引っ張ってもビクともしません。

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この方法を使うようになってから、不自由なく綜絖を吊る作業ができるようになりました。

by kageyama_kobo | 2021-10-14 21:45 | 仕事のコツ