2008年 06月 17日
経糸(たていと)の準備
機にセットする経糸(たていと)を準備する工程を“千切り巻き”といいます。その前工程として、
千切りに巻きつける経糸を必要な巾と密度に整えるために、筬(おさ)という櫛のような道具に経糸を通します。
これを“巻き筬通し”と呼びます。
我が家ではこの作業の時に筬とアゼ竹を固定するように専用の台を作りました。特に名前はありませんが
“巻き筬通し台”とでも呼びましょうか。
この竹の羽(は)が整然と並んだ道具が筬(おさ)です。現在では国内でこの竹製の筬を作る職人はいなくなって
しまったと聞いていますが、我が家では父が創業当時に買い揃えた竹筬が今でも現役で働いています。
現在では織り筬はステンレス製の物を使いますが、千切り巻きに使う巻き筬は軽い竹筬が使いやすいです。
千切り巻きの作業は経糸を長く伸ばす必要があるので、我が家の狭い廊下を目一杯使って行います。
腰を曲げて千切りを膝小僧で押さえながらの作業は、織物の工程の中でも一番体にこたえる仕事です。
by kageyama_kobo
| 2008-06-17 13:10
| 道具の話