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機織り職人の仕事場から…

teorimono.exblog.jp

気付かなかった手癖

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      少し前の事、私の織機の筬塚(機織りのときにトントンとするところ)の左側に不思議なえぐれがあることに気付き
      ました。日頃こんな所は触る場所ではないので「おかしいな?」と思っていたのですが、最近になってその理由が
      解明されました。
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      それは帯を織っている時でした。右から投げた杼を左手が受ける時、杼が来るのを待つ間に左手の親指で筬塚を
      向こうに押していたのです。
      織物屋は仕事中頻繁に機結び(糸と糸を結ぶ方法)をするのですが、私はこれがしやすいように親指の爪を少し
      だけ伸ばしています。その爪の先が筬塚を少しづつ削っていたのでした。
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      さらにもう一つ、帯を織る時には緯糸が耳できっちり折り返すように経糸の開いたところに必ず薬指を入れます。
      この時にも親指の先が無意識のうちに筬塚を押していました。

      いずれの場合も左手だけの手癖で、右手では筬塚を削るような押さえ方はしていませんでした。

      日頃使っている道具を見ていくと、また別の手癖が見つかるかもしれません。
by kageyama_kobo | 2008-06-18 20:45 | 仕事場の風景