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機織り職人の仕事場から…

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羽子板

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      整経の作業で特に細い糸を整経する時に便利な道具が、写真で左手に持っている羽子板です。細長い板に
      小さな穴が並んであいているだけの道具ですが、この穴に糸を二本づつ通して、この穴を通った糸を右手でまと
      めて整経台の釘に引っ掛けていきます。
      大管から引き出された50本ほどの糸が広がった状態で羽子板の穴を通過することで、引き出される糸のテン
      ションのムラを防ぐ効果があります。
      同時に、羽子板の穴から糸が等間隔に二本づつ並んで出てくるため、親指と人差し指で綾を取る作業が手際よく
      出来るのです。(7/15の記事参照
羽子板_f0175143_12483749.jpg
      大きさや穴の間隔に決まりはありません。自分の手に合わせて使いやすいサイズに自作したらいいでしょう。  
羽子板_f0175143_12485614.jpg
      左側の竹製の羽子板は我が家で40年以上働き続けた長老です。何百回と糸が穴をこすってきたため穴の周りに
      糸溝が出来ています。
      この糸溝が出来ないようにと磁器のリングを埋め込んだ右側の羽子板を新しく作ったのですが、手に馴染んで
      使いやすい竹製の方が今でも出番が多いです。
by kageyama_kobo | 2008-07-16 13:21 | 道具の話