2008年 11月 14日
顔料染め
学生時代に顔料で木綿や麻の糸を染める方法を教わりました。
その後家に戻ってからは絹の仕事ばかりを続けていたので顔料染めを行う機会はなかったのですが、
8年ほど経ってから木綿や麻を手掛けるようになり、藍染めを始めたのと同時にこの顔料染めも始めました。
染め方は至って簡単で、豆汁(ごじる:大豆の汁)に顔料を溶かす→この中に糸を入れてよく揉み込む→絞って短時間で乾かす
・・・というものです。
しかし始めは染め方は覚えていてもどのような分量で染めたらいいのかまったく分からず、
とにかく見当でやってみる事から始めてデータを作り、現在行っている染め方のマニュアルを作ったのでした。
弁柄、松煙、黄土など、さらにはこれらを混ぜ合わせて、染めるたびにサンプルを取っておき
このようにファイルしておいたものが後になってとても役に立ちました。
粒子の細かい顔料や水に溶けにくい顔料は乳鉢で擂って豆汁に溶かすのですが、これが結構時間がかかります。
後はこのようにボールに移してひたすら揉みます。
一回に染められる糸の量は写真のように両手で扱える範囲なので300~400gほどで、あまり効率のいい染め方ではありません。
顔料の利点は何と言っても色素が安定しているため紫外線に強いこと、つまり色焼けしないという事です。
欠点は色素というよりも色の粒子が糸に物理的にくっついている状態で染まっているので摩擦に弱く、
洗濯をする場合に激しい揉み洗いをすると色落ちしやすいという事です。
そのため、我が家ではのれんやタピストリーなどの掛け物やテーブルマットなどの敷物にこの顔料染めの糸をよく使います。
写真はすべて顔料で染めた糸で唐桟縞(縞模様の木綿の着物用の生地)を織り始めたところです。
顔料の不透明な発色が独特で、袋物などに使いたいと考えています。
by kageyama_kobo
| 2008-11-14 13:38
| 染めと織りの素材