機織り職人の仕事場から…

カテゴリ:道具の話( 67 )

機料善・織り道具の制作

2月10日から行う影山工房公開講座の会場で販売する私の作る織り道具・機料善のアイテムを制作しています。すべてのアイテムを揃えることはできないのですが需要の多い品物はいくつか作っておきたいと、今回は織り伸子・羽子板・アゼ竹の3種を作りました。
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織り伸子は特に手間の掛かる道具で、一年間乾燥させておいた太い真竹を切って割るところから制作が始まります。割った竹を成型し、火であぶって曲げ、針は一本づつステンレスの針金を削って作り、革ベルトも型紙から起こしてすべて自作します。
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羽子板は二年前に磁器のリングが手に入ったことから公開講座の受講生を対象に受注生産で作り始めました。なかなか使いやすいものがなく我が家でもいろいろと作ってきましたが、やっと“これならいける!”という形と寸法が出来ました。
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アゼ竹(綾棒)は機織りの作業の中で命ともいえる“綾”を保持する重要な道具。しかし市販のものに使いやすいものはなく、プロ・アマを問わず私が今まで目にしてきた織りの現場で“これはいい!”と思えるものは一つもありませんでした。アゼ竹には軽さと弾力、そして真っ直ぐなことが求められます。そして、ふとしたきっかけから発見したアゼ竹の理想の素材が“弓矢”でした。竹の両端には先端に結びこぶの無い紐が取り付けてあります。この紐はすべて私が縒って作ります。

ここに紹介した道具は少し手先の器用な人なら自作できるものばかりです。手持ちの道具に物足りなさを感じた方は参考にしてみてください。

※“機料善”の道具はすべて私が仕事の合間に手作りした物です。したがって量産が出来ないため通信販売には対応できません。時々お問い合わせをいただくのですが、ご理解ください。



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by kageyama_kobo | 2017-02-07 00:22 | 道具の話

男の黒紬…黒糸を織るための工夫


人間は年齢と共に体の機能がじわじわと衰えてきます。私がその事を実感したのは45歳の頃でした。本やパンフレットの小さな文字が滲んで見えてくる事を知人の眼鏡屋に話したら、「それが老眼だよ!」と一言。そしてその場で老眼鏡を注文したのは言うまでもありません。

その頃からでしょうか、私は細くて濃い色の糸を経糸に使用する時に必ず使う道具があります。

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赤い矢印の先にあるのがその道具で、素材は白い発泡スチロールです。自分の足や綜絖など動く部分と干渉しないよう、そして機にはめ込むようにカットしてあるので、わずかな固定器具で取り付けられます。

左側は織り際が良く見えるよう、そして右側は綜絖と綾棒の間の糸の状態を確認するためのものです。

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この白い背景があることで濃い色の経糸の状態が良く把握でき、特に今回使用している節の多い糸などはこれがあることで綜絖周辺の経糸の節や枝糸をいち早く発見することが可能になります。

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ご覧のように白い背景に黒い糸がくっきりと見えるので経糸が切れてもすぐに発見でき、傷を織る前に手直しが可能となります。

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他の糸に絡んだり綜絖に引っかかったりする枝糸は、早めの発見と対応で作業時間のロスを軽減できます。

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もう一つ老眼対策として行ったのが作業エリアの照明の充実です。天井に取り付けたスポットライトはLED電球なので発熱も少なく、コンパクトであることが気に入っています。スイッチは機に座った状態で手が届く所に取り付けてあります。


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ライトの光軸は綜絖と間丁の間の綾棒周辺に合わせてあります。細い経糸が切れた場合、この辺りでつなぎ直すことが多いからです。

織りの作業の中で理由の分からないストレスを感じるようになったら、照明を改善してみることをお勧めします。きっとかなりの確率でストレスが軽減されると思いますよ。

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by kageyama_kobo | 2016-09-30 02:17 | 道具の話

仕事場に新しい機が仲間入り

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我が家の仕事場に織り幅90センチの機が仲間入りしました。以前から広幅の機は欲しかったのですが、これを置くと仕事場が狭くなる事からためらっていたのです。しかし、この度服地の注文を受けた事をきっかけに導入を決心しました。

この機は知人宅で何年も使われていなかったものです。金属部分に錆が出たり、今まで使っていた機とは構造が違い私には使いにくい部分が何か所かあったため、お盆休み返上で機の改造に取り組みました。

仕事場が狭くなる事への対策として、この機を使っている間はいつも使っている機は解体して仕事場の隅っこで休憩してもらうことにしました。
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まず最初に行ったのは踏み木の取り付けです。機に座ると向こう側に根元のあった取り付け部分を固定器具を新調して手前のかかとの位置に付け替えました。
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その踏み木には、綜絖から降ろしてきた紐が結ばれるのですが、この紐の位置が使っている最中にに移動しないよう溝を刻みました。
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長い間放置されていたろくろの軸は錆び付いて動きが悪かったため、サンドペーパーで錆を取り除き蝋を塗って動きを滑らかにします。手で回すと軽やかにクルクル回るくらいが理想です。
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長さ90センチの筬が入る筬塚ですが素材の所為か大きさの割りに重さが足りないように感じました。そこで、ストックしておいたケヤキの板をウエイトとして取り付け筬塚を重くしました。
緯糸をしっかり打ち込む私の織り方には軽い筬塚は向いていません。我が家では昔から鉄の棒や硬い木を筬塚に取り付けて、軽い力でもしっかり筬が打ち込めるようにしています。
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筬塚の高さを調節する部分です。改良前はヒモを掛けるギザギザの背側に幅広の板を取り付け、機織りの最中に筬塚から手を離すと筬が自然に織り際から離れるような仕掛けになっているのですが、私にはこの吊り方は使いにくいので背側の板を薄くしました。
こうする事で経糸を最後の最後まで織りつめるのに有利になります。
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筬塚の前後の位置を決める溝が使いたい部分に無かったため、ここに新たに細かく溝を刻みました。筬塚の位置は織る時の姿勢に大きく影響するため、細かく調整できるようにしたかったのです。
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菊を固定する棒を上方に引っ張るためのバネが錆びていました。私はこのバネの感触が嫌いなので、代わりに分銅を使って棒を引っ張るように変更しました。

私は自分の使う道具は常にベストコンディションを維持できるよう心掛けます。ストレスのない仕事環境はいい布を織るための絶対必要条件だと考えます。
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by kageyama_kobo | 2016-08-14 01:23 | 道具の話

新しい整経台

f0175143_20241158.jpgこの度の仕事場のリフォームに合わせて整経台も新調しました。サイズは以前のものとほぼ同じですが、あちこちに改良を加えてあります。
今回は少々長くなりますが、この整経台を紹介します。

一番の改良点は、今までのものは据え置き型だったのに対して新しい整経台は折り畳み式にしました。使用しない時に仕事場の床を広く使うための苦肉の策です。

f0175143_20242914.jpg整経を行なう時は“管立て”を手前に傾け、整経台を起こして足を取り付け斜めに固定します。

f0175143_20244732.jpg整経台の木枠は4か所の蝶番で壁に固定してあります。

f0175143_20245979.jpg足は手前左右の角に柱を立て、それぞれ蝶ネジ一本で固定します。きゃしゃに見えますが木枠ががっちり作られているので少々触ったくらいではビクともしません。

この足の部分と壁に蝶番で止めてある部分は以前の整経台の木材を使っています。先輩が後輩をがっちり支えてくれています。

f0175143_20251427.jpg経糸を掛ける“駒”は竹を削って作りました。頭の部分は握りやすいように四角に、根元の部分は糸が自然に曲がるように丸くしてあります。

整経の作業中、時に使わないとなりの駒が邪魔になることがあります。そんな時は取り外すことができるよう抜き差し自由にしてあります。

f0175143_20252877.jpg整経台を使わない時、長い“綾取り棒”は邪魔になるので、これはネジ式にして取り外せるようにしました。

f0175143_20254130.jpg実際に使う時はこのようになります。

f0175143_20255876.jpg木枠の左上の隅にヘラ状の竹で“糸休め”を作りました。

整経の最中に糸を替える時、電話に出る時、トイレに行く時、玄関に宅急便が来た時、ここに糸をはさんでおけば糸を緩めないで手を放すことができます。

f0175143_20261336.jpg整経が終わったら残った糸を切り離すために、私はいつからかこの位置に少し大きめの“握りハサミ”を置くようになりました。

作業中に結び目を直したり糸の節を取ったりする時も、この場所にハサミがあるととても重宝します。

f0175143_20262545.jpg整経が終わったらまずヒモで綾を取ります。

f0175143_20264040.jpg次に麻ヒモで最後の部分をきっちりと結びます。

f0175143_2027024.jpg麻ヒモで結んだところを左手で持ち、綾取り棒の左側の部分の糸を右足で踏みつけ(普通の方はこの部分は軽くヒモで結んでおくとよいでしょう)、刃の反った小刀でザクッと切り離します。

この部分は小刀の刃が何回も当たるので深く掘れてしまいます。それを防ぐためにカッターナイフで紙などを切る時に下に敷くカッティングマット(緑の部分)を小さく切って埋め込んであります。

f0175143_20271376.jpg糸を切る場所のすぐ上の駒だけは鉄の棒(五寸釘)の頭を丸く磨いたものを使います。最後に整経台から経糸を外す時、先ほど麻ヒモで結んだ端の部分を二つに裂いてこの駒に刺せば、糸の束の終わりの端が簡単に固定できます。

父の時代から60年間使い続けてきた整経台。使いにくい部分をすべて改良し、今は快適な整経作業ができるようになりました。
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by kageyama_kobo | 2016-05-29 21:38 | 道具の話

ルームライト(Loom Light)

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機を織る時に手元を照らす照明は私にとっては重要な道具の一つです。我が家では三台の機のそれぞれに20ワットタイプの蛍光灯照明を使用しています。照明の明るさの感じ方は人それぞれで違うのでしょうが、老眼により視力が落ちてきた私にとっては少しでも明るい照明器具が欲しくて今までいろいろと工夫を加えてきました。

まず最初は反射傘の部分に反射効率の高いアルミ蒸着マットを張り付けてみました。これはそれなりの効果はあったのですが、あくまでも“それなり”でした。

次に電球を蛍光管からLED電球へ変更しました。グロー球を取り外すだけで使用できる20ワット蛍光灯タイプのLED電燈に付け替えると照明の明るさは一段と増してかなりの満足感がありました。

そしてこの度の我が家のリフォーム。家の外壁や屋根の板金工事をしてくれたS君という若い職人さんと話をする中で「S君の仕事で銅板なんか使うことはあるの?」と質問すると「ありますよ」との返事。この時頭に閃いたのは「銅製の照明器具が作れたら格好いいな」という事でした。

何回か相談をしていくうちに構想がまとまり、寸法と構造を図面に描いてS君に渡すと何日か後に作ってきてくれたのです。
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照明器具は一体型(電球交換をしないタイプ)のLED電球を取り付け、構造をシンプルにしてあります。全体は銅板でできていますが内側の反射傘の部分には自然な反射光が得られるように薄いステンレス板を張ってもらいました。
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吊り金具は真鍮板を切って削って穴を開けて自作しました。
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コンセントにつなげるコードとスイッチを取り付けて完成です。
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ご覧のように世界に一つだけの重厚なルームライト(Loom Light=機照明)が完成しました。最初はギラっとした赤金色でしたが、時が経つほどに表面の色がくすんで風格が増します。

もちろん、明るさは十分満足できるものとなりました。
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by kageyama_kobo | 2016-04-19 00:01 | 道具の話

糸を絞る(絞り台)

f0175143_22291084.jpgこの度の改装工事では染め場も一新しました。そしてかねてから計画していた絞り台を新調しました。

写真は以前使っていた絞り台です。地面から二本の柱を立ち上げ、この柱を支えに丸太の横棒を渡すオーソドックスな構造です。

f0175143_22292929.jpgこちらが新たに作った絞り台。支柱は一本で横棒は片方のみ固定されています。

この構造は、以前にインドの染織を訪ねる旅で見学した織物の村の染め場で発見しました。染物小屋の太い柱に横棒ががっしりと差し込んであり、染物職人がこの棒に糸を引っ掛けては手際よく絞っていた姿が印象的でした。

この光景を見た時から「いつか我が家にもこの絞り棒を!」と考えていたのです。

f0175143_22294798.jpg二本支柱の絞り台は糸の掛け外しの度に横棒を持ち上げなくてはならないのに対し、片側固定の絞り台は一方が空いているので糸の掛け外しがとても速やかにできるのが最大の利点です。

空いている側は糸がずり落ちないようにストッパーを付けました。

この横棒は60ミリの太さのステンレス製で、鉄工場をやっている友人のお兄さんに特注で作ってもらいました。

f0175143_2230321.jpg支柱は線路の枕木で、水に強い栗の木です。太さも十分あり、二本のボルトで締め上げることで横棒をしっかりと支えてくれます。


f0175143_22302056.jpg横棒の高さは私の体格に合わせて床から88㎝。そして支柱は地面に60㎝ほど埋め込み、コンクリートで固定しています。

写真のような太い麻紐のカセをガンガンさばいてもがっしりと受け止めてくれます。

f0175143_22303544.jpg糸を絞った時に水が落ちる下の部分には石ころを並べました。落ちた水が周りに飛び散るのをかなり防げます。

f0175143_22305219.jpg使わない時は二本のボルトを緩めて横棒を簡単に取り外す事ができます。

写真のようにコンパクトに格納でき、狭い染め場が有効に使えます。



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by kageyama_kobo | 2016-04-12 23:40 | 道具の話

機の上のスポットライト

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機に経糸がかかった3月31日、いよいよ新しい工房が稼働を始めました。およそ10ケ月ぶりの機の感触に最初は少々戸惑いながら、それでも40年近く使い慣れた機ですからすぐに感覚が戻ってきました。
新しい部屋に古い道具。以前とは大きく変わった雰囲気の仕事場で筬を打つ感触が気持ちいいです。
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最初に機にかけたのは、昨年から依頼されていた手紡ぎの木綿糸の白生地です。不規則な太さの糸なので、織っていると時々経糸が切れる事があります。

手織りの場合、経糸が切れると新しい糸をつなぎ足して写真のように織り手前にマチ針で止めるのが普通です。しかし私はこの方法は好きではありません。一番の理由は、この方法では経糸がこの場所で必ず切れている(つがなりが切れる)ので、それが何とも気持ち悪いのです。布の強度的には全く問題ないのですが“経糸は最初から最後まで、たとえ結び目があろうともつながっていて欲しい”のです。それと、もう一つの理由は“マチ針の刺さった織り手前は醜い”と感じるからです。たとえ誰が見ていなくても綺麗(無駄なものが無い状態)に仕事をしたいと思います。

そこで私は経糸が切れると、切れた所で結び合わせます。結び合わせた後の経糸のテンションに張りや弛みが無いように糸の張り加減を調整しながら結びます。

太い経糸の場合は問題ないのですが、例えば紬の反物の、それも経糸に紬糸を使った場合には結ぶ糸の太さは時に髪の毛ほどの細さになることもしばしばです。このような糸を結ぶ場合に最も重要な事は“糸がちゃんと見えている”事です。
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私は45歳の時に初めて老眼鏡を作りました。その後もこの目はたゆまぬ進化を続けて今日に至っています。そのため年を追うごとに細い糸の扱いがだんだん大変になってきて、現在では機に座る時は老眼鏡が手離せない状態です。

しかし細い糸を結ぶ時だけはどんなに目に合った老眼鏡をかけてもそれだけでは不十分です。そうです、明るい“照明”が不可欠なのです。この二つが揃って初めて“糸がちゃんと見えている”状況を作り出すことができます。

そこで新しい工房では切れた経糸を結ぶ時のために機の上に写真のようなスポットライトを取り付けました。
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機の上で経糸をつなぐ場所は“織り際から間丁まで”です。そこで照明はこの範囲を明るく照らすように調整します。この照明+通常よりも度を強めに作った老眼鏡で、どんなに細い経糸でも機の上で結ぶことができるようになりました。

私と同じ思いをされている方は多いのではないでしょうか。 ご参考までに・・・。
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by kageyama_kobo | 2016-04-07 21:51 | 道具の話

着々と、粛々と ・・・

 新しい工房では機も組み上がり、やっと織物工房の雰囲気が出てきました。床面積は変わらないのですが、以前あった段差を無くしてフルフラットな床にしたため、部屋全体がかなり広くなったように感じます。
 その床の広さを活かすよう、いろいろある道具たちをとにかく壁に収納する工夫をしています。
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写真は60センチ幅の筬が使える筬塚です。普段は44センチ幅の筬塚を使うのですが私の仕事ではこの二つを結構使い分けるので、どちらの筬塚も掛けられるフックを壁に取り付けました。以前は仕事場の隅の床に置いておいたのでいつもホコリだらけでしたが、これからは綺麗に使ってあげられます。
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 我が家には3台の糸車がありました。しかし置き場所の都合で以前は2台しか出しておけませんでした。新しい工房では糸車を使わない時は壁に掛けられるようにしました。これなら場所を取らないので3台の糸車を糸の種類に応じて使い分けることができます。
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 巻き筬を通す時に使う“巻き筬台”も置き場所に苦労しました。けっこう使用頻度が高いので手元に置いておきたい道具です。今回は広幅用(60センチ)と小幅用(44センチ)を一緒に収納することでスペースを稼ぎました。

f0175143_2126717.jpg 我が家の整経台は長さが2.7メートルあります。これだけの大きさの木枠が仕事場にドンと収まっているとかなりの場所を塞がれてしまうのがとても不満でした。そこでこの度のリフォームを機会に大工に頼んで新しく作り直しました。5センチ角のヒノキ材を使ってオイル仕上げをしたかなり贅沢な道具です。

f0175143_21265063.jpg 一緒に使う“大管立て”も併せて、使わない時はご覧のように壁に収まる構造にしてあります。たったこれだけの事ですが、空間の広さはずいぶんと確保できたように感じられます。

 早く機に座って仕事を始めたいのですが、仕事場の準備をしながらこんなことを考えては木を切ったり削ったり、そして年度末の雑用も相まってなかなかその日が見えてきません。それでも、気持ちよく仕事ができる事を想いながら体を動かす毎日が楽しいです。


≪メールアドレスを変更しました≫
今年に入ってから40000件近い迷惑メールが入るようになってしまいました。たまりかねてのメールアドレス変更です。kageyamaとkoboの間のハイフン(-)を取りました。ご登録いただいている方は変更をお願いします。

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by kageyama_kobo | 2016-03-11 22:24 | 道具の話

沖縄・久米島で見つけた杼箱

f0175143_19394248.jpg六月の半ば、沖縄・那覇で開かれた大学時代の同窓会に出席。せっかく沖縄に行くのなら少し足を伸ばして久米島紬を見に行こうという計画をたてました。

同窓会の翌日は例の有名な水族館で巨大水槽を泳ぐ巨大な魚たちやイルカのショーを堪能。

そして、その翌朝一番の飛行機でいよいよ久米島に向けて出発です。

現地で得た情報で訪ねた紬織りの工房で無心に紬を織るおばちゃんの機に、今まで見た事もない杼箱を発見!


f0175143_19404877.jpg久米島紬の絣の技法は37年前にこの島を訪れた時に見て知っていたので、私の視線は自然と仕事に使う道具に向けられました。

そこで一番に目を惹いたのは、杼を手に取りやすい角度に傾けて作られた杼入れです。

隣には空いた小管を入れる箱までが一体となって付けられています。



f0175143_19411159.jpg右側の杼箱には管入れは無く、やはり傾けて付けられた杼入れが取り付けられていました。

「これはどなたか作る人がいるのですか?」と尋ねると「お父さんに作ってもらったの」と嬉しそうに話してくれました。

遠い沖縄の地で道具に工夫を凝らして機を織る人と出会え、とても嬉しい気持ちにさせてもらいました。
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by kageyama_kobo | 2015-07-04 21:08 | 道具の話

“フワリ”を制作

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四月の東京・五月の奈良で行った“影山工房公開講座”の折に注文をいただいた“フワリ”を制作しました。まずは竹屋に行って竹を選びます。ずっと昔に工芸会の先輩から「竹を伐るのは11月!」と教えられたのを思い出し、「去年の秋に伐った真竹はあるかな?」と尋ねると「二月に伐ったのならありますよ」との返事。「虫が入るのが嫌なんだけど」と言うと「虫が入るならもうとっくに入っていますよ。今入っていなければ大丈夫」とのおばちゃんの言葉を信じて3本ほど選び出し、家に持って帰って早速製作開始。

今回の二台の注文はどちらもカセ周127cm用のものなので一本の竹の長さは52cm。この長さに切った竹を必要な幅に割って・削って・穴を開けて・軸の針金に通して・紐を掛けて出来上がり。

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右のフワリが我が家で通常作っている物、そして左のフワリはフワリ台の幅が20cmと狭いサイズの別注品です。

狭い幅のフワリに普通に紐を掛けると左右の竹を引っ張り合ってカセを掛ける幅が極端に狭くなってしまうので、この対策には一工夫が必要です。

青竹の清々しいフワリが完成しました。使い込むほどに水分が抜けて軽くなり、色が枯れて味わいが出てくる予定です。
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by kageyama_kobo | 2015-06-23 12:20 | 道具の話