機織り職人の仕事場から…

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久しぶりの“蓮糸のストール”

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久しぶりに“蓮糸のストール”を織り始めました。記録を調べたら前回織ったのは6年も前でした。

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私の織る蓮糸のストールは蓮糸と絹糸を50%:50%で使います。写真に見える生成り色の糸が蓮糸で、濃い色(濃いオリーブグリーン)の糸が絹糸です。そして今回使う蓮糸は今までで一番細く、絹糸の太さに換算すると480デニールです。

この蓮糸と組み合わせるために絹糸を特注しました。
糸屋に注文の電話をしたところ300デニールの座繰りの玉糸があるというのです。そこでこの糸を2本合わせて片撚りとし、600デニールの糸を作ってもらいました。絹糸は精練すると約80%に目減りするので600デニール×0.8=480デニールとちょうど同じ太さになります。

蓮糸にも玉糸にも自然なスラブ(糸に太い細いの変化)があって“糸味たっぷり”の布になりました。織り上げた後、糊落としをすると蓮糸と絹糸の風合いが混ざり合ったとても魅力的な布に仕上がるはずです。

このストールは次の作品展(静岡市・亀山画廊 12/1~13)でお披露目する予定です。











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by kageyama_kobo | 2016-10-11 23:16 | 色があり柄があり…

男の黒紬を湯通し…音で分かる布の良しあし

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天気予報をにらみながら昨夜遅く“男の黒紬”の糊落としを行いました。そして今朝、長い雨が続いた後の久しぶりの朝日。湯通しには絶好の薄曇りの空のもと、糊落としを終えた反物を丁寧に水洗し庭に引っ張って伸子を掛けます。

通常は水洗の終わった反物は軽く脱水機にかけてから庭に引っ張ります。しかし黒など濃色の反物は水が滴るくらいの状態で引っ張ります。太陽の熱を吸収しやすい濃色の布は乾燥が早く、水をたっぷり含ませておかないと伸子を掛け終わる前に乾いてしまうからです。

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反物が庭に張れたら伸子掛けです。布が乾く前に終われるよう大急ぎです。竹ひごの両端に短い針のついたものが伸子で、この針を反物の両耳の約1ミリ辺りに刺します。

生地に針を刺す時に“プツッ”と音がします。紺屋に生まれて若い頃から数えきれないほど湯通しをしてきた母が「この“プツッ”て音がしなかったら上等な生地じゃないよ!」とよく話していました。筬の打ち込みの甘い生地はこの音がしないのです。

今回もこの“プツッ”が聞こえて一安心でした。




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by kageyama_kobo | 2016-10-04 13:23 | 仕事場の風景