機織り職人の仕事場から…

機料善・織り道具の制作

2月10日から行う影山工房公開講座の会場で販売する私の作る織り道具・機料善のアイテムを制作しています。すべてのアイテムを揃えることはできないのですが需要の多い品物はいくつか作っておきたいと、今回は織り伸子・羽子板・アゼ竹の3種を作りました。
f0175143_23242243.jpg
織り伸子は特に手間の掛かる道具で、一年間乾燥させておいた太い真竹を切って割るところから制作が始まります。割った竹を成型し、火であぶって曲げ、針は一本づつステンレスの針金を削って作り、革ベルトも型紙から起こしてすべて自作します。
f0175143_23235541.jpg
羽子板は二年前に磁器のリングが手に入ったことから公開講座の受講生を対象に受注生産で作り始めました。なかなか使いやすいものがなく我が家でもいろいろと作ってきましたが、やっと“これならいける!”という形と寸法が出来ました。
f0175143_23240860.jpg
アゼ竹(綾棒)は機織りの作業の中で命ともいえる“綾”を保持する重要な道具。しかし市販のものに使いやすいものはなく、プロ・アマを問わず私が今まで目にしてきた織りの現場で“これはいい!”と思えるものは一つもありませんでした。アゼ竹には軽さと弾力、そして真っ直ぐなことが求められます。そして、ふとしたきっかけから発見したアゼ竹の理想の素材が“弓矢”でした。竹の両端には先端に結びこぶの無い紐が取り付けてあります。この紐はすべて私が縒って作ります。

ここに紹介した道具は少し手先の器用な人なら自作できるものばかりです。手持ちの道具に物足りなさを感じた方は参考にしてみてください。

※“機料善”の道具はすべて私が仕事の合間に手作りした物です。したがって量産が出来ないため通信販売には対応できません。時々お問い合わせをいただくのですが、ご理解ください。



[PR]
# by kageyama_kobo | 2017-02-07 00:22 | 道具の話

“男に贈る手織りの布 影山秀雄展” 始まる!

f0175143_23324437.jpg今年最後の作品展が静岡市の亀山画廊で昨日から始まりました。

その会場風景をお伝えします。

f0175143_23330400.jpg会場正面から右側です。

正面には“のれん”“ストール”“タピストリー”を、右側には“紬の反物”、そして中央には“テーブルマット”を展示しました。

f0175143_23332818.jpg左側の壁面には“ストール”、“マフラー”、“ネックウェア”などの巻き物が並びます。

f0175143_23335924.jpg“紬反物”のコーナーは、最近特に力を入れている男物の反物を並べました。

男物の反物の柄には派手さはないのですが、手引きの紬糸、座繰り糸などを用いて糸味を活かした布作りを心掛けています。

これらは是非手に取ってご覧いただきたいと思っています。

f0175143_23342617.jpgこの“ネクタイ”は今年で百歳になった私の父が10年ほど前に織った物です。

首に巻く部分を細く織るのに特殊な技術が必要で私には織る事ができないので、現品限りの品物です。

f0175143_23345446.jpg正面の壁は、左から“麻のれん・松煙ダイヤ”、中央が“蓮糸のストール”、右が“赤富士・夕富士のタピストリー”です。

f0175143_23354221.jpg新作のコースターは糸の密度を高めた、より存在感のある布になりました。

f0175143_23372448.jpgこちらは“ストール”のコーナーです。

木綿・絹・カシミヤなどの素材を用いています。

f0175143_23381078.jpg“マフラー”は左から与那国蚕(アタカス)の糸で織ったもの、次がヒマラヤのヤクの糸、その他はカシミヤを素材としています。

f0175143_23383885.jpg“ネックウェア(ミニマフラー)”は我が家では冬のみならず夏にも人気の定番です。

今回は沢山の色柄を取り揃えてあります。


糸の風合いを活かした布たちに是非会いに来てください。


[PR]
# by kageyama_kobo | 2016-12-03 00:43 | 発表の場

“男に贈る手織りの布 影山秀雄展” in 静岡

f0175143_22055686.jpg
静岡市内にある亀山画廊で二年ぶりの作品展です。

手織りの布というとどうしても婦人物が主体になりがちですが、できることなら自分と同じ男性に私の織った布で男を磨いてもらいたいという思いから、男性を対象とした布を織り続けてきました。

最初に手掛けたのが紬の反物でした。人の手で紡ぎ出された味のある糸との出会いから、シンプルな色柄ながら糸味を活かした底光りのする風合いの布で“男”を輝かせたいと思ったのがきっかけでした。

季節柄、首に巻く布も織りました。冬の定番のカシミヤ、ヒマラヤから届いたヤク、インドネシアに棲む世界最大の蛾・アタカス、ミャンマーからはハスの糸、そしてシルクなど、個性豊かで魅力的な糸を用いたマフラーやストールを織りました。

一番人気のカシミヤのネックウェア(ミニマフラー)もカラフルに並びます。

f0175143_22123185.jpg
私は会期中午後1時から6時頃までは会場にいます。ぜひご都合をつけておいでください。

※12月7日(水)は画廊の定休日です。お間違えの無いように。


[PR]
# by kageyama_kobo | 2016-11-26 23:00 | 発表の場

新柄のれん“松煙ダイア”

f0175143_19471877.jpg
生成り地に松煙染めの絣で麻のれんを織り始めました。織り始めは白地にグレーの棒縞なので囚人服かパジャマ地のような柄に見えましたが、柄が絣に差し掛かると雰囲気が一変します。

f0175143_19474642.jpg
絣に染めた二種類の経縞をずらして柄を織り出します。絣の重なりで白とネズの菱形模様が浮かび上がります。

この大きなずらしの経絣は父と二人で開発した我が家独特の技法です。



[PR]
# by kageyama_kobo | 2016-11-17 20:01 | 色があり柄があり…

久しぶりの“蓮糸のストール”

f0175143_22423248.jpg
久しぶりに“蓮糸のストール”を織り始めました。記録を調べたら前回織ったのは6年も前でした。

f0175143_22424338.jpg
私の織る蓮糸のストールは蓮糸と絹糸を50%:50%で使います。写真に見える生成り色の糸が蓮糸で、濃い色(濃いオリーブグリーン)の糸が絹糸です。そして今回使う蓮糸は今までで一番細く、絹糸の太さに換算すると480デニールです。

この蓮糸と組み合わせるために絹糸を特注しました。
糸屋に注文の電話をしたところ300デニールの座繰りの玉糸があるというのです。そこでこの糸を2本合わせて片撚りとし、600デニールの糸を作ってもらいました。絹糸は精練すると約80%に目減りするので600デニール×0.8=480デニールとちょうど同じ太さになります。

蓮糸にも玉糸にも自然なスラブ(糸に太い細いの変化)があって“糸味たっぷり”の布になりました。織り上げた後、糊落としをすると蓮糸と絹糸の風合いが混ざり合ったとても魅力的な布に仕上がるはずです。

このストールは次の作品展(静岡市・亀山画廊 12/1~13)でお披露目する予定です。











[PR]
# by kageyama_kobo | 2016-10-11 23:16 | 色があり柄があり…