機織り職人の仕事場から…

染め場の色見本

      紬の反物の注文を受けたとき、まず最初にやることは見本布の緯糸(よこいと)を10段ほどほどくことです。
      ほどいた糸は指に巻きつけて結び、これから染める緯糸の色見本になります。
      糸染めが始まると染めている糸と色見本を時々付き合わせて、同じ色になるまで何回も染料を加えては
      染め重ねていくのです。
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      こんな風にして出来た小さな色見本が、長い間にこんなに沢山たまってしまいました。
      新しい柄をデザインするとき、この色見本をあれこれと並べ替えていると、不思議とアイデアが浮かんできます。
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      今となっては我が家に無くてはならない貴重なデータベースです。
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# by kageyama_kobo | 2008-06-12 23:07 | 色があり柄があり…

足癖

      私が現在使っている織機(しょっき)が我が家に来てからかれこれ40年が経ちます。
      始めは父が使っていたものを私が引き継いだのです。
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      織機の踏み木がまっすぐ上下するためのガイドの部分を『鳥居(とりい)』と呼びます。
      私の織機の鳥居の縦棒はご覧のとおり、足癖の悪さからか見事に磨り減っています。
      あまり減らないようにと時々ロウソクをこすり付けて滑りがよくなるように手入れをしているのですが、
      それでも40年間使い続けていたらこのようになってしまいました。

      何年後か、この部分がキョウギのように薄くなって破れてしまう日が来るのかと、鳥居を見るたびに想像しています。

      私の織機の右横に並んで母が使う織機があります。
      ほぼ同じ時期に我が家に来た同じ型の織機ですが、こちらの鳥居は棒の磨耗も少なくきれいな姿をしています。
      きっと母は足癖がいいのでしょう。
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# by kageyama_kobo | 2008-06-10 15:53 | 仕事場の風景

絞り棒

      糸の染色をした後、濡れた糸を絞るのには専用の絞り棒があると便利です。
      我が家の絞り棒は直径が7~8㎝のヒノキの棒で出来ていて、糸を掛けたり外したりが簡単に出来るように、
      柱に溝を掘って棒の両端をこの溝に落としこむように作ってあります。
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      写真は染め上がった糸に糊付けをして絞っているところです。
      仕事をしているのは私の父にして師匠でもある利雄(92歳)。流石にこの歳になると細い糸を扱ったり細かな計算は
      苦手になりますが、糸染めや経糸を機に掛ける準備などは普通にこなす現役の機織り職人です。
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      手に握る竹の棒に体重を掛けて最後まで絞りきるその時まで、糸をまっすぐに保つのには少々年季が要ります。
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# by kageyama_kobo | 2008-06-07 12:59 | 道具の話

機草(はたくさ)

      機の部品で経糸(たていと)を巻いておく部分を『千切り(ちきり)』とか『緒巻き(おまき)』と呼びます。
      布を織るために必要な本数と長さに揃えられた経糸は、この『千切り』を芯にして何重にも巻きつけられるのです。
      この時、先に巻いた糸に上の糸が食い込むのを防ぐために一緒に巻き込まれる紙の事を『機草』と呼びます。
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      巾の狭い(写真は織り巾11センチのコースター)布を織る時に使用する『機草』は、いただき物のお菓子やタオル
      などが入っていたボール紙の箱を開いて作ります。
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      着尺やのれんなどの織り巾が40センチ前後の布を織る場合には『機草』に新聞紙を使います。
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      新聞紙は片方の耳を三つ折りにして、この折り目が右と左の交互になるように巻き込んでいきます。
      三つ折りの部分が厚くなるので、上に巻きつく糸の耳の崩れを防いでくれます。

      身近なものを便利な道具として利用する、先人の知恵です。
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# by kageyama_kobo | 2008-06-05 20:25 | 道具の話

パッチワークの紬の半纏

        唐桟縞の仕事が一区切り付いた母が「半纏でも作ってみるかねー」と言って、古い紬の見本布を持ち出した。
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        ミシンで縫いつないで、型紙で目印を入れ、切って、色を見ながら組み替えて、それをまた縫い合わせて・・・
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        色柄がきれいだったので取っておいた縮緬の着物を裏地に使って…
 
        世界に一枚だけの半纏が出来ました。
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# by kageyama_kobo | 2008-06-03 22:05 | 色があり柄があり…