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機織り職人の仕事場から…

銀座一穂堂 “麻と蓮展” に出品します 

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この季節恒例となりました銀座一穂堂の“麻と蓮展”が今年も開催されます。
麻や蓮を素材やモチーフとした漆・陶器・布・写真などの作品が、梅雨の季節を涼しげに彩ります。
私は、蓮のストール・マフラー、麻のれん、テーブルマットなどを出品します。
銀座方面にお出掛けの折りには是非お立ち寄り下さい。

影山は6月29日(土)・30日(日)の二日間会場にいます。




# by kageyama_kobo | 2019-06-23 10:43 | 発表の場

“千切り巻き機”を新調

我が家では“整経台”で経糸の準備をし、この経糸を千切りに巻き取る作業は“床巻き”で行います。
経糸が短い場合や糸に節の無いきれいな糸の場合には“床巻き”は準備が簡単でいいのですが、着尺のような長い経糸や玉糸のような節の多い糸を巻き取る場合は不安定な千切りを足や膝で押さえつけながらの作業が長時間続くため、人間の足腰に大きな負担が掛かります。

若い頃には何とも思っていなかったのですが、私も歳を重ねていつの頃からかこの作業が辛く感じるようになってきました。そこで以前から“千切り巻き機”を作る構想を練ってきたのです。

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三年前に自宅と工房をリフォームした際、この道具を設置することを前提に床に穴を開けておきました。
この穴に合わせた寸法で設計し、友人の木工職人の力を借りて“千切り巻き機”を新調したのです。

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構造は千切りを受けるU字型の部分を台座に斜めに取り付けたものを2個作り、片方に千切りの逆転を防ぐ“巻き取りギア”を取り付けただけのシンプルなもの。これを床に固定すれば準備は完了です。

以前父の機で使っていた“巻き取りギア”が再び活躍の場を得ました。

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巻き取る経糸に適当なテンションを得るため、ロッククライミングの道具の“エイト環”を利用しました。

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エイト環とロープの摩擦を利用するとこんな小さな分銅一つの抵抗で十分なブレーキが掛かり、
この分銅が床をズルズルと滑りながら千切りにはきっちりと経糸が巻き取られていきます。

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巻き取りの作業はご覧の通り。床に開けた穴のお蔭で腰掛けた状態で行なえます。楽な姿勢で仕事ができるので今まで大変だった経糸の節取りなどの長時間の作業がもう苦になりません。

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作業が終わったら道具はすべてこの蓋の中に収納し、後はただの平らな床に戻ります。


今日がこの“千切り巻き機”の使い初めでした。

若干の修正点はあるものの使い心地は上々で、
これで私の仕事の中で一番の重労働から解放されることになりました。





# by kageyama_kobo | 2019-06-04 20:10 | 道具の話

掘り出し物の“番手計”

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これがどんな道具かお分かりですか? 実は私、以前からこれが欲しかったのです。
そして、やっと手に入れました。

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“番手計”と書かれています。そうです、糸の番手を計る道具です。

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ご覧の通り、毛糸の番手を計る道具なのです。

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この数字、お分かりですね?
50mの長さの毛糸をフックに吊るして計ると、上の目盛に番手が表示されます。
100mだと下の目盛です。

そして、あれこれといじっているうちに閃きました。

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このままでは短くて軽いカセしか計れないのですが、
錘(おもり)を追加することで私が良く使う“蓮の糸”の太さを計る道具に改造できます。

今まで使った“蓮の糸”は太さが絹番手で300デニールから1200デニール。
カセに上げる長さは通常650m。

300デニールで650mのカセは21.7g、1200デニールで650mのカセは86.7g

なので、この秤を21.7gから86.7gまで計れるようにすれば、300デニールから1200デニールまで
糸の太さが瞬時に計れるようになります。

今まではカセの重さを計っては電卓で計算してデニールを確認していたのですが、
その面倒な作業がこれで不要になりました。

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21.7gから86.7gまでをこの秤で一度に表示するのには少々無理があるので、
糸を吊るすフックの位置をもう一か所内側に増やしました。
これで糸の重さが二段階で計れるようになります。

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もともとあったフックの位置で計ると右側の数字で300デニールから700デニールまで、
新たに開けた穴にフックを掛けて糸を計ると左側の数字で500デニールから1200デニールまで
計ることができます。






# by kageyama_kobo | 2019-03-27 22:44 | 道具の話

第9回 影山工房公開講座《東京会場》終わる

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年度末の雑用に追われ報告が遅れましたが、3月2日~4日に東京神田のTEORIYAで開催した
第9回影山工房公開講座”が終了しました。

今回の講座は今までとは一味もふた味も違っていました。
いつも私は講座の開催にあたって「質問をたくさん持ってきてください!」と呼びかけています。
しかし過去にそれほど質問攻めにあった覚えはなかったのですが、
今回の受講生の講座にかける意気込みはなかなかなものでした。

休憩時間に余裕をもってはいたものの一つの講座は私のしゃべりすぎで90分の予定が1時間オーバー。
それでもある受講生は「そんなに時間が経ってたなんで全然気が付かなかった」と話していました。

一応時間内に終了したもののその後も受講生の質問が40分も続いた回もありました。

それもこれも参加された皆様の織物に対する熱い思いのなせる業と
疲れも忘れてお付き合いさせていただきました。

この講座は回を重ねるたびに新しい資料を加えたり写真を差し替えて、
受講生がより理解しやすい内容となるよう改善をしています。

8つの講座の中で私が皆さんにお伝えする内容は膨大な分量になります。
この講座で少しでも多くの事を受け取って帰りたいと思われるのは当然なのですが、
あまり欲張ると頭からあふれ出てしまうことも多いように思います。

今までの7年間・9回の講座の受講生を通じて感じるのは、
出来ればあまり欲張らずその時に一番知りたい内容の講座を一つか2つ受講するのが
望ましいように思います。
そしてまた来年、新たな内容の講座を受講することで、
フレッシュな頭の中に織物の知識がサクサクと入ってくるのではないでしょうか。

熱心な受講生の方からは「大きなお世話!」と言われるかもしれませんが、
おせっかいとは思いながら思ったことを書きました。


4月にはまた奈良会場で“第10回 影山工房公開講座”を開催します。
まだ定員には十分に空きがありますので、関西方面の方は是非予定に入れて下さい。
お待ちしています。










# by kageyama_kobo | 2019-03-18 21:56 | 発表の場

“織道具機料善” 今年も始動!

 影山工房は織物工房ですが、織物とは別に織り道具の企画制作も行っています。この織り道具のブランド名が“織道具機料善”(おりどうぐきりょうよし)です!
 すべての道具は影山工房の仕事の中で「便利さ」「使いやすさ」を求めて自分たちのために作ったものです。そして6年前から、織物に取り組む人たちに向けてこの道具たちの提供を始めました。
 多くの製品は影山自身が手作業で作ります。一部は友人の木工職人の手を借ります。すべて手作りのためたくさんは作れません。数に限りがあるので大々的な販売は不可能。この道具類は“影山工房公開講座”の会場のみの販売となります。
 対面販売を原則と考えていますので通信販売はしません。興味をお持ちの方は実物を手に取って、もしも気に入っていただけましたらお求め下さい。
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●楽し針…先が鋭く軸の太いこの針は、布目を直したり・結び目を解いたりと思いがけず重宝します。

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●綜絖通し…使う糸に合わせて何種類か使い分けることをお勧めします。ステンレスの針金を研磨して針先を作ります。柄の部分は竹の枝や弓矢の矢じりを使い、同じものは二つとありません。


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●矢筈…筬通しの道具です。市販のものは金属製ですが、これは太い竹を割ったものを削って作ります。着尺の糸に対応できるよう薄く作ってあります。細い糸用です。

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●綾棒…左の二本は女竹を、茶色いものは弓矢を素材に使っています。ヒモの付け方に特徴があります。

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●ふわり・ふわり台…“良いふわり”の条件は、掛けるカセの大きさに合っている事と軽い事です。使うカセの大きさに合わせて受注生産も致します。“ふわり台”の台座はケヤキとサクラの二種類の素材があります。


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●巻き筬台…整経の後、巻き筬を通す時に綾棒と筬をしっかり固定する道具です。写真のように筬を平らに置くものと、斜めに立てられるものの2種類があります。


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●羽子板…整経台で経糸を整経する時にこの道具を使うことで、経糸のテンションが揃いやすくなります。磁器のリングを20個使ってあります。

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●筬吊り…綜絖通しの後、織り筬を通す時に筬を保持する道具です。多くの方から好評をいただいています。

※1 ご希望によっては特殊サイズやマイナーチェンジなども制作可能です。ご相談ください。
※2 お買い上げ後は可能な限り修理やメンテナンスの対応をいたします。
※3 あえて価格は表示しませんが、もしもお知りになりたい場合は電話かメールでお問い合わせいただければお答えします。



# by kageyama_kobo | 2019-02-24 19:13 | 道具の話