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機織り職人の仕事場から…

teorimono.exblog.jp

三つのメガネ

私が45歳の時、本を読んでいると小さな文字がジワーッとにじんで見えるようになってきました。
まばたきをすると一瞬直るのですが、またしばらくするとジワーッとにじんできます。

そんな話を眼鏡屋の友人にすると一言「きっとそれは老眼だね。調べてあげるから座って」と言われて
その時に作ったのが下の写真の手前のメガネです。

出来上がったこのメガネを掛けて自分の手のひらを見た時、指紋がくっきりと見えたのには驚きました。
それほど近くが見にくくなっていたのです。

道理で、この頃は細かい筬通しが何となく苦痛になっていたことを思い出します。

三つのメガネ_f0175143_19444171.jpg
その後私の目は経年劣化で性能が落ち(老眼が進み)、このメガネでは見にくくなってきたので作り直したのが左のメガネです。
しっかりと視力検査をして作ってもらったメガネだけに本を読んだり細かい仕事にはとても重宝しているのですが、
ちょっと焦点が遠くなる機織りの仕事には性能の落ちた以前のメガネがピントの位置が遠いので都合がいいのです。

今では最初に作ったメガネは機織り専用となりました。

後ろにあるもう一つのメガネは、実は母のお古の老眼鏡です。
私にはとても度が強くて普通は使えないのですが、小さな結びコブを針先で解いたり、
暗い場所で細い糸を結ぶ時などはとても重宝し、今では無くてはならない私の必需品です。


こんなふうにいくつかのメガネを使い分ける楽しみは「きっと若いもんには味わえないだろうな!」
などと悦に入っている今日この頃です。


by kageyama_kobo | 2009-02-09 20:09 | 道具の話