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機織り職人の仕事場から…

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座繰り糸…織り始め

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いよいよ織り始めました。不規則な節が特徴の座繰り糸にはところどころに太い部分があります。
今までこのような節は取り除いていたのですが、今回はこの節を活かすべくなるべく残すように織っています。

座繰り糸…織り始め_f0175143_88569.jpg
予想通り、いや予想以上に毛羽立ちはありました。経糸が綜絖で上下するたびに摩擦が発生するため、
特に綜絖の近くではこのように糸が綿クズのように固まります。節が多く撚りも甘いため毛羽立ちは覚悟していましたが、
改めて糊付けが重要なことを教えられました。

それでも“双紬”を織った経験から毛羽立つ糸と仲良くする方法が分かっていたため、機織りは順調です。

座繰り糸…織り始め_f0175143_891165.jpg
経糸に節が多いため緯糸の節もなるべく残すようにしています。
ご覧のように経緯の節が点在して“紬の味たっぷり”の生地になりました。

この糸の特徴が現れたのは外見だけではありません。一番感じた事は織り上がった布の手触りです。
写真ではお伝えできませんが、布を手のひらで触ると極細かいベルベットを触っているような感触で、
これは今まで織った紬の生地では感じられなかった事です。

湯通しをして仕上げた後の感触がどのようになるのか、とても楽しみです。



by kageyama_kobo | 2009-07-09 23:07 | 染めと織りの素材