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機織り職人の仕事場から…

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経糸に付ける糊には油を少々…

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絹・麻・木綿と繊維の種類に関係なく細い糸を機に掛ける場合には、染色の後で糸に必ず“糊”を付けます。糊を付けて糸に硬さや張りを持たせることで作業中の糸の絡まりを防ぎ、滑りを良くし、扱いやすくするためです。

反物や帯のように経糸の密度の高い布を織る場合には、この糊の中に油を少々加えます。ほんのわずかな量ですが、この油を加えることで経糸同士の摩擦を軽減させることが出来ます。

以前に木綿の反物を織る時に、経糸の糊に油を加えたものと加えなかったものの二種類を試したことがありました。結果は、織り上がった後に機の下の床に落ちる“綿ぼこり”の量に明らかな違いがありました。



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学生時代に授業で絹糸の糊付けをした時、恩師が「油を入れすぎると“油焼け”するから気をつけろ」と教えてくれました。たぶん油の酸化による変色の事を話してくれたのだと思います。そこで我が家では糊付けに使う油は酸化しにくいといわれる“椿油”を使っています。使う量は、例えば反物一反分の経糸(約300g)に対して椿油5~6滴です。

※蛇足ですが…緯糸にはこの油は必要ありません。
by kageyama_kobo | 2010-04-08 20:18 | 仕事のコツ