機織り職人の仕事場から…

仕事場に新しい機が仲間入り

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我が家の仕事場に織り幅90センチの機が仲間入りしました。以前から広幅の機は欲しかったのですが、これを置くと仕事場が狭くなる事からためらっていたのです。しかし、この度服地の注文を受けた事をきっかけに導入を決心しました。

この機は知人宅で何年も使われていなかったものです。金属部分に錆が出たり、今まで使っていた機とは構造が違い私には使いにくい部分が何か所かあったため、お盆休み返上で機の改造に取り組みました。

仕事場が狭くなる事への対策として、この機を使っている間はいつも使っている機は解体して仕事場の隅っこで休憩してもらうことにしました。
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まず最初に行ったのは踏み木の取り付けです。機に座ると向こう側に根元のあった取り付け部分を固定器具を新調して手前のかかとの位置に付け替えました。
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その踏み木には、綜絖から降ろしてきた紐が結ばれるのですが、この紐の位置が使っている最中にに移動しないよう溝を刻みました。
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長い間放置されていたろくろの軸は錆び付いて動きが悪かったため、サンドペーパーで錆を取り除き蝋を塗って動きを滑らかにします。手で回すと軽やかにクルクル回るくらいが理想です。
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長さ90センチの筬が入る筬塚ですが素材の所為か大きさの割りに重さが足りないように感じました。そこで、ストックしておいたケヤキの板をウエイトとして取り付け筬塚を重くしました。
緯糸をしっかり打ち込む私の織り方には軽い筬塚は向いていません。我が家では昔から鉄の棒や硬い木を筬塚に取り付けて、軽い力でもしっかり筬が打ち込めるようにしています。
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筬塚の高さを調節する部分です。改良前はヒモを掛けるギザギザの背側に幅広の板を取り付け、機織りの最中に筬塚から手を離すと筬が自然に織り際から離れるような仕掛けになっているのですが、私にはこの吊り方は使いにくいので背側の板を薄くしました。
こうする事で経糸を最後の最後まで織りつめるのに有利になります。
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筬塚の前後の位置を決める溝が使いたい部分に無かったため、ここに新たに細かく溝を刻みました。筬塚の位置は織る時の姿勢に大きく影響するため、細かく調整できるようにしたかったのです。
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菊を固定する棒を上方に引っ張るためのバネが錆びていました。私はこのバネの感触が嫌いなので、代わりに分銅を使って棒を引っ張るように変更しました。

私は自分の使う道具は常にベストコンディションを維持できるよう心掛けます。ストレスのない仕事環境はいい布を織るための絶対必要条件だと考えます。
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by kageyama_kobo | 2016-08-14 01:23 | 道具の話