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機織り職人の仕事場から…

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蓮糸100%の服地…いよいよ織り始め!

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今月に入ってから準備を始めた“蓮糸100%の服地”。試し織りを経て本番に向けての不安材料を一通りクリアーした準備が終わり、いよいよ昨日から織り始めました。

綜絖や踏み木を結ぶ紐などはすべて新調したため、織り始めはこれらが少しづつ伸びてくるので調整に時間がかかりました。綜絖や筬塚の位置や高さも、実際に織りながら体に合わせて調整していきます。

これだけの広幅の機に座るのは40年振りです。

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綜絖の幅は90㎝。今まで織っていた小幅の綜絖と比べると、シャトルが楽に走るための開口を得ようとすると、踏み木を踏み込む力は倍以上必要だという事を実感しました。そして90㎝の織り幅の経糸の間にシャトルを途中で止まることなく投げるコツをつかむまでしばらく時間がかかりました。

仕事場にはエアコンも入っているのですが、それでも汗がにじんでくるのでねじり鉢巻きで織っています。

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経糸を木枠に巻く段階で節や結びこぶを丁寧に取り除いておいたので、試し織りよりもはるかにきれいに織り上がったように感じます。同時に経糸の切れる回数も少なく(それでも結構切れる)、体が機に慣れるほどに織りのリズムもつかめて、作業が楽しくなってきます。

真ん中に置いてあるデニムの布は、少々膨らんできた私の腹部が織り上がった布とこすれるのを防ぐためのものです。同時に握りハサミなど小さな道具の置き場所にもなりました。

これから幾日間か“織っては切れた経糸をつなぎ…”を幾度となく繰り返す修行の日々が続きます。
by kageyama_kobo | 2016-08-24 22:20 | 仕事場の風景