機織り職人の仕事場から…

蓮の糸に撚りをかける

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私の“蓮糸の布”を見た方が、東南アジアを巡って4種類の蓮糸のサンプルを届けて下さいました。
それぞれ色も違い特徴もバラバラでしたが、カセに上げ返し精錬をしてみたところ
いずれの糸も今まで私が使ってきた糸と同等かそれ以上の品質でした。

そんな中で特に気になったのが一番右側にある少々色の薄い糸です。
糸の表面のきめが細かく、手触りもとても柔らかなのです。
その原因の一つとして考えられるのが、撚りがかかっていないこと。

引っ張り強度の弱い蓮糸に撚りがかかっていなければ経糸には使えません。
そこで、自分で撚りをかけて糸の風合いと強度の変化を調べてみました。

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撚りかけに使った道具は紡毛機です。何十年ぶりで動かすので回転部分にグリスを付け、
ベルトのテンションを調整しました。

この紡毛機はある方から譲り受けた物です。
さすがにスコットランドの名機、長い眠りから目覚めてもすぐに快調に回り、
気持ち良く仕事をさせてくれます。

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弱い糸なので糸抜けが起きないか心配でしたが、
糸には無事に撚りがかかりボビンに巻き取られていきます。

ベルトをハイスピード側に掛けて回すと、べダル一踏みでフライヤーが8回転します。

最初は1mに100回の撚りをかけたのですが、ルーペで確認すると何となく頼りない感じ。
それでさらに増し撚りをかけて1m160回としました。

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右が撚りかけ前、左が撚りをかけた糸です。
写真ではわかりづらいのですが、確かに糸全体が引き締まった感じがあります。

確認のため何本か合わせて引っ張ってみたのですが、撚りをかけた方が
明らかに切れにくい糸になっていました。

撚りをかける事によって糸の柔らかさが損なわれるのではないかと思っていたのですが、
こちらに関してはわずかの変化しかなく、柔らかさは保たれていました。

もしもこの糸で布が織れたら、きっと今までにない手触りの布が生まれるでしょう。






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by kageyama_kobo | 2018-09-02 22:56 | 染めと織りの素材