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機織り職人の仕事場から…

経接ぎ(たてつぎ)

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我が家では経糸を接ぐことはめったにないのですが、今回は織る物が経糸の本数が少ない
コースターなので“経接ぎ”を行うことにしました。

私が使う機は長野県飯田市で作られたものです。
綜絖から間丁までの間、張られた経糸とほぼ平行に機の両脇の横木があるため
この横木に板を渡すことで機の上はテーブル状となり、
あらゆる作業がこの上で行えるのでとても便利です。

本来なら空中に綾棒を吊って不安定な体制で行う作業なのですが、この機の構造のお蔭で
椅子に腰掛け平らな板の上で楽な姿勢で作業が出来ます。

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糸の数は184本とそれほど多くはないのですが、それでも一本づつ機結びで接いでいくのには
少々手間がかかります。
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織り終わる経糸と次に織り始める経糸の先端をどちらも真っ直ぐに切り揃えてから結びます。
従ってすべての経糸を接ぎ終えると結びコブはご覧のように一直線に並びます。
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この結び目の部分が綜絖や筬に引っかからないように丁寧に織っていくとご覧のようになります。
一直線だった結びコブの位置が、織り上がった後はかなり不揃いになっています。
経糸は微妙に伸び縮みしながら織られていくことがこれで分かります。

この部分も一枚のコースターに仕上げますが、これは売り物にはしません。
何と言ってもこの一枚には“織り賃”に加えて“経糸のつなぎ賃”も含まれているわけですから、
値段をつけるとかなり高額なコースターとなってしまいます。

そこで、この一枚は我が家でお客様用として使うことにしました。




by kageyama_kobo | 2019-06-25 22:25 | 仕事場の風景