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機織り職人の仕事場から…

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木枠で整経する時の一工夫

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私の工房では経糸の整経は通常“大管”を使って行います。
したがって整経台の上には写真の様に“木枠でできた管立て”が取り付けてあります。

細い糸を整経する場合はこの方法でまったく問題ないのですが、
時に太い糸を整経する場合、大管よりも糸をたくさん巻ける“木枠”を使いたくなるのです。

以前は木枠を床に置いて、そこから糸を上に引き上げて整経を行っていました。
しかし、この方法では糸の入れ替えや糸の終わりのところでいちいち床にしゃがみこんで
作業をしなければなりません。

この煩わしさを何とかしたくて、一工夫してみました。
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大管を立てる木枠は写真の様に壁に二か所の受け木を取り付けて固定しています。
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この受け木の上部に木のブロックを取り付けました。
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受け木+木のブロックで、写真の様に壁に対して直角に木の板のステーが付けられます。
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二か所の受け木にこのステーを取り付け、ここに木の板を渡すことで棚ができます。
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長さ約1.4mのこの棚の上には、糸を巻いた木枠が8個並びます。

それぞれの木枠の真上に糸を引き上げるための“ワラビ”を取り付けることで糸はスムースに解けます。
作業途中の糸の入れ替えや最後の始末の時も、床にしゃがみこむ必要はなくなり
立ったまま前に手を伸ばせばすべての作業が行えます。

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作業スペースもコンパクトになり、大管を使った場合とほぼ同じ感覚で
整経作業が行えるようになりました。






by kageyama_kobo | 2020-10-15 19:40 | 道具の話