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機織り職人の仕事場から…

綜絖と綜絖通し

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 織物で経糸(たていと)を一本ごとに上下させる仕掛けの部分を『綜絖(そうこう)』と呼びます。 『綜絖』は長さ30cmほどの細い針金の中心部分に糸の通るリングがあり、この針金が必要な本数だけ並べられてフレームで固定されています。

 この『綜絖』に糸を通す作業を『あすび掛け(綜絖通し)』と呼び、細い針金の真ん中の穴にすべての経糸を一本づつ通さなくてはなりません。経糸を一本づつ差し出す人と、細いフックを穴に通してその糸を引っ掛けて引き抜く人との二人がかりの作業です。

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この仕事に使用する『針』(糸を引き抜くための細いフック)は、自分の手に合わせて自作します。
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 我が家で紬(着物の生地)を織る場合、経糸の本数は1,200本でした。私が小学校二年生の時に始めて糸を差し出す作業を手伝いましたが、子供の私には根気が続かず三分の一ほどでギブアップした想い出があります。 それでも三年生になった時に1,200本すべてを通し終える事ができ、この時始めて一つの仕事をやり遂げた達成感を味わったように記憶しています。

 現在では以前よりも細い経糸を使うようになったため糸の本数は1,360本になりましたが、二人がかりで二時間弱の作業です。


by kageyama_kobo | 2008-05-24 20:57 | 道具の話