機の部品で経糸(たていと)を巻いておく部分を『千切り(ちきり)』とか『緒巻き(おまき)』と呼びます。
布を織るために必要な本数と長さに揃えられた経糸は、この『千切り』を芯にして何重にも巻きつけられるのです。
この時、先に巻いた糸に上の糸が食い込むのを防ぐために一緒に巻き込まれる紙の事を『機草』と呼びます。
巾の狭い(写真は織り巾11センチのコースター)布を織る時に使用する『機草』は、
いただき物のお菓子やタオルなどが入っていたボール紙の箱を開いて作ります。
着尺やのれんなどの織り巾が40センチ前後の布を織る場合には『機草』に新聞紙を使います。
新聞紙は片方の耳を三つ折りにして、この折り目が右と左の交互になるように巻き込んでいきます。
三つ折りの部分が厚くなるので、上に巻きつく糸の耳の崩れを防いでくれます。
身近なものを便利な道具として利用する、先人の知恵です。