機織り職人の仕事場から…

空気を含んだ布を織る(模紗織り)

今から20年ほど前、私に羊毛の糸紡ぎを教えてくれた友人が軽やかでとても魅力的な布を織っていました。「それはなんて言う織り方?」と聞くと「レース織りよ」とのお答え。「教えてもらえるかな?」「いいわよ」・・・という事でこの織り方を自分の手の内に加えることができました。
後にこの織り方は模紗織り(もしゃおり)とも呼ばれることを知りました。

私の織物はしっかりと糸を打ち込んだものが多いのですが、時には透け感を出したり布に空気を含ませたりしたい場合があります。そんな時がこの摸紗織りの出番です。

そして今、写真のようなマフラーをこの織り方で織っています。
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織物で布に透けた感じを出したり空気を含ませようと思うと、どうしても糸の密度を荒くしなければなりません。しかし、ただ荒くしただけだと糸が自由に移動できるために、布を扱っている間に糸に隙間ができたり、その逆に寄り集まったりしてしまい布目が乱れてしまいます。
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しかし、この模紗織りでは経糸にも緯糸にも三本まとまった部分があり、この経糸と緯糸の三本同士がお互いを綴じ合うことで布目の乱れを防ぐというとても優れた組織になっています。そのお陰で糸と糸との間に空気をたっぷりと含ませた布を織ることが出来るのです。

我が家では麻糸を使って夏向きの透けたのれんを織る時や、絹やカシミヤを使って暖かいマフラーやストールを織る場合にこの織り方を積極的に使っています。
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by kageyama_kobo | 2008-11-11 19:55 | 色があり柄があり…