機織り職人の仕事場から…

試し織りのための整経

少々特殊な布の注文が入りました。

表と裏が色も質感も違う布。更に全体が立体的に波打つように…。
イメージとしては“砂漠の昼と夜”との事。


ほとんどの場合、私は糸と織り方が決まれば出来上がりの布を
頭の中に描くことができるので、試し織りをすることはありませんでした。

しかし、今回ばかりは依頼主と構想を練りながら糸や織り方は決まったものの、
さてその方法ではたして思い通りの布になるのか自信がありません。

織り幅90cm、長さ5mという注文。
とてもじゃないけどぶっつけ本番で取り掛かるのにはリスクが高すぎます。

そこで、たぶん今までで初めての“試し織り”をすることにしました。

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織り上がった布の状態を確認できればいいので経糸は短くてよし。
そこで整経長は1.6m。長い整経台のほんの片隅で十分です。

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整経長が短かすぎて本来の綾取りの位置では綾が取れないため、
通常は糸を掛けるのに使う駒を2本使って綾を取りました。


今日はこの後、巻き筬通し⇒千切り巻き⇒綜絖通し⇒織り筬通し⇒織り付け と
作業は順調に進みました。しかし、その後に少々問題が発生。

--- つづく ---





# by kageyama_kobo | 2018-09-04 22:35 | 仕事場の風景

蓮の糸に撚りをかける

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私の“蓮糸の布”を見た方が、東南アジアを巡って4種類の蓮糸のサンプルを届けて下さいました。
それぞれ色も違い特徴もバラバラでしたが、カセに上げ返し精錬をしてみたところ
いずれの糸も今まで私が使ってきた糸と同等かそれ以上の品質でした。

そんな中で特に気になったのが一番右側にある少々色の薄い糸です。
糸の表面のきめが細かく、手触りもとても柔らかなのです。
その原因の一つとして考えられるのが、撚りがかかっていないこと。

引っ張り強度の弱い蓮糸に撚りがかかっていなければ経糸には使えません。
そこで、自分で撚りをかけて糸の風合いと強度の変化を調べてみました。

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撚りかけに使った道具は紡毛機です。何十年ぶりで動かすので回転部分にグリスを付け、
ベルトのテンションを調整しました。

この紡毛機はある方から譲り受けた物です。
さすがにスコットランドの名機、長い眠りから目覚めてもすぐに快調に回り、
気持ち良く仕事をさせてくれます。

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弱い糸なので糸抜けが起きないか心配でしたが、
糸には無事に撚りがかかりボビンに巻き取られていきます。

ベルトをハイスピード側に掛けて回すと、べダル一踏みでフライヤーが8回転します。

最初は1mに100回の撚りをかけたのですが、ルーペで確認すると何となく頼りない感じ。
それでさらに増し撚りをかけて1m160回としました。

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右が撚りかけ前、左が撚りをかけた糸です。
写真ではわかりづらいのですが、確かに糸全体が引き締まった感じがあります。

確認のため何本か合わせて引っ張ってみたのですが、撚りをかけた方が
明らかに切れにくい糸になっていました。

撚りをかける事によって糸の柔らかさが損なわれるのではないかと思っていたのですが、
こちらに関してはわずかの変化しかなく、柔らかさは保たれていました。

もしもこの糸で布が織れたら、きっと今までにない手触りの布が生まれるでしょう。






# by kageyama_kobo | 2018-09-02 22:56 | 染めと織りの素材

八ヶ岳倶楽部 “藤井慎介*影山秀雄 木と布展” 始まる


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いよいよ本日から山梨県北杜市にある八ヶ岳倶楽部にて“木と布 二人展”が始まりました。
会場は木漏れ日が差し込む森の中の“ステージ”と呼ばれる建物です。

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藤井慎介さんの木工作品と私の布、作者としては何とも気持ちのいい組み合わせです。

特に暑さの厳しい今年の夏ですが、標高1300mのこのギャラリーには
心地よい高原の風が吹き抜けています。

避暑を兼ねておいでになりませんか?




# by kageyama_kobo | 2018-08-02 23:17 | 発表の場

藤井慎介 * 影山秀雄 “木と布 二人展”

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今年も8月に八ヶ岳倶楽部で作品展を開催することになりました。
今回は静岡県裾野市に住む木工の藤井慎介さんとの二人展です。

藤井さんとのジョイントは今回が3回目です。
めったに他の人とのジョイントはやらない私ですが、藤井さんとは特別です。
なぜなら、彼の木工作品と私の布とがとても相性がいいと感じるからです。

藤井さんの木工作品の魅力は、広葉樹を素材とした木の質感とフォルムのバランスの気持ち良さ。
正確な木取りと緻密な仕上げ、その上に彼自身が行う漆の塗装の美しさです。

今回も案内状の撮影のために何点か作品を手にしましたが、
指物や刳り物の技術を駆使して丁寧に作られた作品に多彩な漆の技法で仕上げられた作品には
いつもながらため息が出ました。

案内状では紹介しきれない“木と布の表現の可能性”をきっと楽しんでいただけると思います。
これらの作品が皆様の暮らしの中で活かされたら…というメッセージを
お届けしたいと思っています。

硬い木と柔らかな布のデュエットを、是非お楽しみください。

毎日11時以降には会場に在廊する予定です。
皆様のお越しをお待ちしています。





# by kageyama_kobo | 2018-07-19 22:57 | 発表の場

銀座一穂堂 “麻と蓮展”

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本格的な夏の到来を前に、恒例となった銀座一穂堂の“麻と蓮展”に今年も出品します。
夏の素材として親しまれている麻はのれんやテーブルマットを。そして木綿と麻を組み合わせた
ティーマットやコースターなどの卓布シリーズも並びます。

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蓮の糸を使った布は、今回3種類出品します。まずは定番となった蓮糸のストールです。
蓮糸と絹糸を50%づつ使って、網代織りで市松模様を織り出しています。

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二番目は、昨年はサンプルのみ出品した蓮糸85%:絹糸15%のマフラーです。蓮糸の手触りを存分に味わっていただける一品です。
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三番目は今年の新作で、蓮糸にこげ茶とコバルトブルーの絹糸を組み合わせて格子模様を織り出したマフラーです。

私は7月7日(土),8日(日)の二日間、一穂堂に在廊します。



麻と蓮展
銀座一穂堂〔東京都中央区銀座1-8-17 伊勢伊ビル3階〕
2018.7.6(金)~7.14(土) 11:00~19:00(月曜日休廊)




# by kageyama_kobo | 2018-06-29 11:10 | 発表の場